日本におけるオペラ・ミカド上演前史

1885年にイギリスで初演されたこの喜歌劇は、2年間で672回の連続公演。翌年の1886年には、アメリカに作品は渡り、アメリカ全土で一夜に170箇所の劇場で同時に上演がされる程の人気になっております。
現代のロードショー公開映画のような勢いで公演が続けられたオペラ・ミカドは、初演からわずか二年後には、横浜の外国人居居留地に、旅の一座がミカド上演の為に来ましたが、明治政府の指示によって、タイトルを変えての上演となっております。
内容は、日本の架空の町を設定し、当時のビクトリア王朝への皮肉やや風刺をふんだんに取り入れた物語で、決して国辱な内容ではないのですが、タイトルがミカド故、60年に渡り政府からは、ミカドのタイトルのままでの、上演は許可が下りませんでした。戦後になり、日本オペラの先駆者である、長門美保歌劇団によって、日本人による初演がなされ、ようやく日本人による公演の歴史が始まり、私達の公演へと続きました。また私達ばかりでなく、オペラ・ミカドの公演に取り組んだ方々は沢山おりますが、上演機会の少なさから、今まではなかなか注目される事のなかった英国喜歌劇がもっと身近なものになれば幸いと存じます。

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